価格変動には“異常値”がつきもの  その3

 さらに続きです。

 今年の2月末から3月初めの日経平均の急落時の変動率は -3%程度(-2σ前後)の下落が
   2月28日 -515円   -2.84% (-1.95σ)
   3月 5日 -575円   -3.34%   (-2.30σ)
   3月14日 -502円   -2.92%  (-2.01σ)
と3回起きています。

 1996年11月以降の約10年間のデータ(2556日分)で、2σを超える変動を示したのは
   上昇 68回(2.67%)
   下落 66回(2.58%)
です。確率的には1年のうち6,7回は2σを超える変動(上昇、下落それぞれ)をすることがあることになります。そこで、1997年から2006年まで年ごとに見てみると、次の表のようになりました。

Image_11

 2σを超えるような変動の発生頻度が2004年以降減少しているように見えます。つまり、「ファットテール」の度合い(?)が小さくなっている、と言えます。
 と考えると、昨日は「2月末から3月初めに起きた程度の変動は、結構頻繁に起きている」と書いたのですが、ここ3年ほどに限ってみると、かなり大きな下落率(あまり起きない、という意味で)だったと言った方がよさそうです。

 ちなみに、昨年1月の“ライブドアショック”時はどうだったかというと・・・
   2006年1月17日 -463円   -2.85% (-1.96σ)
   2006年1月18日 -464円   -2.94% (-2.02σ)
で、今回の急落と下落率はほぼ同じでした。ただ、このときは2日続けて3%近い下落になったので、インパクトも大きかったかもしれません。

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価格変動には“異常値”がつきもの  その2

 調べた日経平均のデータの総数は、2556日分です。
 このうち、-3.0σを下回っているのが12日(全データの0.47%)、+3.0σを上回っているのが14日(0.55%)ありました。データの分布が正規分布に従うとした場合、3σより外側に分布する確率はそれぞれ 0.135%ですが、実際の分布はこれより大きくなっており、『ファットテール』を裏付けていると言えるでしょう。3σより大きな変動が生じるのは、1年に2回程度(プラスマイナス合わせて)あるということになります。

 実際に、-3.0σを下回った日、+3.0σを上回った日は、下の表のとおりです。

Image_3

(これを見ると、2003年以降はあまりありません。ここ4年ほどはボラティリティが小さくなっている、ということでしょうか。)

 この2月末から3月初めの日経平均の急落時には、『日経平均暴落!』と大きく報道されましたが、実際に価格下落幅、変動率を見ると、
   2月28日 -515円   -2.84% (-1.95σ)
   3月 5日  -575円   -3.34%   (-2.30σ)
でした。-2σ前後ということで、かなり大きな変動であったことには間違いありません(特に、2月28日の安値は前日比-737円、率にすると-4.07%です)が、実は2σ程度の変動は結構頻繁に起きています。

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価格変動には“異常値”がつきもの

 今、「投資の科学」(マイケル・J・モーブッシン著、川口有一郎監訳、日経BP社)という本を読んでいます。大きな書店では平積みになっているところも多かったようなので、手に取られた方も多いかもしれません。
 正直に言って余り読みやすい本ではないのですが(私の能力が足りないだけかも)、なかなか面白い内容もありました。

 中でも『確率と経験 ~投資におけるファットテールについて』という章は興味深く読みました。簡単に言うと、一般的なファイナンス理論では、価格変動を独立した変数の分布とみなし、リターンの分布は正規分布になると仮定していますが、現実には、このように仮定することは危険なことも多い、ということです。著者は、
   「現実の世界は、平均値や代表値によってではなく、“異常値”によって支配されている」
というノーベル物理学賞を受賞したフィリップ・アンダーソンのことばを引いて、そのことを強調しています。

 また、実際にS&P500の日次リターンの分布を調べて、価格変動のデータが正規分布と差があることを示しています。特に、通常の正規分布に比較して、両側の部分、つまり「極端な価格変動を示すことがかなり頻繁にあること」(ファットテール)に注意を喚起しています。

 このことは、他の書籍などでもよく触れられていることですし、ここであえて言う必要もないようにも思いますが、実際に自分でデータを触ってみないと気がすまないので、ちょっとやってみました。

 使用したデータは、日経平均の1996年11月から2007年4月初めまでの10年余りの終値です。日次の変動率の分布を出してみると、平均値は 0.003%、標準偏差は 1.455% となりました。変動率の分布を、X軸を標準偏差としてグラフにしたのが下図(ピンクのライン)です。比較のために正規分布をブルーのラインで示してあります。

Image_2 

 「投資の科学」では、S&Pのデータについて
 ・小規模な変動(平均値付近の変動)が生じる回数が正規分布より多い。
 ・0.5σから2.0σあたりの回数は、正規分布より少ない。
 ・グラフからはちょっとわかりにくいのですが、両端に分布するデータが多い(ファットテール)。
と述べていますが、今回調べた日経平均のデータでもほぼ同じことが言えるようです。

 次回、もう少し詳細に見てみようと思います。

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コーンデイトレシステム その5

世界同時株安、急激な円高で、商品相場も軒並みストップ安張り付き、という一日でした。

本日は「買い」シグナルだったのですが、朝の状況を見て「ストップ安張り付き間違いなし」と判断し、エントリーを見送りました。仕掛けていれば、買いは成立するはずですが、そのまま仕切ることができず、オーバーナイト、ということになります。

こういう場合には、システムトレードといいながら、「裁量」で「仕掛け見送り」ということも必要かもしれませんが、判断は難しいところです。もっとも、仕掛けなければ損失が出ることはないわけですから、やはり「休むも相場」ですかね。

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コーンデイトレシステム その4

さて、これまで無視してきた手数料のことにも触れておく必要があるでしょう。
今回のシステムでは、1日の平均損益が6417円になっています。

例えば、北辰商品の HOKUSHIN D-Station の場合、日計り(往復)で1枚あたり294円(税込み)となっています。

最大3枚仕掛けた場合、1日の手数料は882円。これを差し引いても十分利益が出る、と考えてよいと思います。

実運用の場合に問題になるのは、商品につきものの「ストップ張付き」になった時に、シミュレーションと実際の売買で乖離が生じる点です。

例えば、当日のサインが「買い」だったので、寄付で買い注文を入れ、これは約定したとします。ところが、その日は寄付が高値で、その後ずるずると下げて途中からストップ安に張り付いてしまいました。この場合でも、シミュレーションでは引け(後場3節)で仕切りとなるのですが、現実には、ストップ安で注文が通らない可能性が高くなります。翌日の寄付で仕切るとしても、シミュレーション結果と実際の運用に差異が発生します。

そこで、バックテスト期間中に、
・上のようなことが実際何回発生しているのか。
・その頻度はどの程度なのか。
・シミュレーションとの乖離はどれぐらいなのか。どの程度パフォーマンスに影響しているのか。
といった点をきちんと検証しておく必要があります。この検証結果はまた後日。

ちなみに、今日2月27日の東京コーンも後場からストップ安張付きになりました。私のシステムでは「売り」だったので、今日のところはうまくいったのですが・・・。

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コーンデイトレシステム その3

このデイトレシステムでは、1日の仕掛けを最大3枚としています。
東京コーンの現在の証拠金は1枚あたり75,000円ですから、必要証拠金は
    75,000×3=225,000 円
となります。

さて、インベストメントという限りは、年平均利回りを考えておく必要があるでしょう。商品先物のように、証拠金取引の場合、どの程度の初期投資をするのか、という問題はマネーマネジメントの課題として奥深いもので、いろいろと考え方はあるでしょうが、とりあえずここでは、
    最大ドローダウン+最大取引枚数×証拠金
を必要資金とします。これをそのまま初期投資額とすると、
    333+3×75=558 千円
となります。
年平均利益が 1,565千円ですから・・・年利回りは280%?? 

いや、まだ手数料も考えていませんから、そうは単純に言えないか・・・。

でも、まずは満足できる数字といえるのではないでしょうか。

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コーンデイトレシステム その2

コーンデイトレシステムの続きです。

2003年10月から2006年10月までの東京コーン先限の4本値を使ってシステムを構築してみました。

売買ルールは、「寄付(前場1節)で仕掛け、大引け(後場3節)で仕切る」という単純なもので、指値は使いません。売買は、前日までの値動きの結果から判断しています。

このバックテストの利益曲線は以下のようになりました。

Profit_1

通常、システムトレードで考慮される
・スリッページ
・手数料
はここでは考慮していません。
スリッページについては、東京コーンが板寄せ銘柄であり、指値を使わない売買なので、それほど考えなくてもいいと思います。
一方、手数料は、当然のコストとして考える必要があります。今回は、システムを構築する段階ではとりあえず手数料を無視し、得られたパフォーマンスを見て、手数料を考慮しても有効であるかどうかを判断する、という形をとりました。

なお、このシステム構築には、
High FAI Traders: Let'sシステムトレード (by KonSinさん)
の記事を参考にさせていただいています。
いやもう少し正確に言うと、このブログでシステム構築の概略と実例が示されているので、それにできるだけ近いものを見つけようとして労力をかけた結果、なんとか近いものができた、というところです。
上の記事は、システムトレードの考え方について非常にわかりやすく、理論的に説明されています。KonSinさん、ありがとうございます。

このバックテストの結果できたシステムを使って、今度はフォワードテストをかけることになります。
また、実際に運用する際には、KonSinさんも書かれていますが、いくつか問題点も出てきますので、もう少し詳しい検証が必要だと思っています。

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コーンデイトレシステム

昨日の日銀の利上げ実施、その後の為替市場においては、「懸案が片付いた」とばかりに全面的円安が進み、そして今日は日経平均が18000円を突破、という動きになっています。果たして、トレンドは加速するのでしょうか。

さて、具体的なシステムです。
商品先物といえば、東京工業品取引所か東京穀物商品取引所ということになりますが(中部や関西もありますが・・・)、その中で比較的出来高が多くて流動性のある商品を、ということで東京コーンを対象に選びました。

コーンは、シカゴの相場の影響が大きいので、原則、寄付(前場1節)で仕掛け、大引け(後場3節)で仕切り、という単純なデイトレシステムとします。

インベストメントとか何とか言っておきながらデイトレかよ~、という感じですが、細かいことはさておいて。

まず、過去の価格データを分析して、利益を出せるルールを見つけ、そのようなシステムを複数つくります。次に、それらのシステムをいくつか組み合わせることで、安定的に利益曲線が右上がりになるシステムをつくります。単独のシステムではドローダウンが利益に比較して大きかったり、利益が余り積み上がらない期間が長かったりします(つまりリスクが大きいわけです)が、複数のシステムを組み合わせることで、トータルとして安定したシステムにすることができます。

なお、商品先物でよく話題にされるような、コーンベルトの天候であるとか、在庫統計といった、いわばファンダメンタルの情報は全く考慮していません。シカゴとの相関も気にしていません。過去の値動きのみを利用して、帰納法的にルールを見つけてきています。
実際に利益曲線を示そうと思うのですが・・・恥ずかしながらブログに不慣れで、どうやれば図をアップできるの? 勉強しておきます。

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